24歳でこの世を去ったポエトリーラッパー不可思議/wonderboy
不可思議/wonderboyとは
孤高のポエトリーラッパー、不可思議/wonderboy。
2009年に彗星のごとく姿を現した彼は、独特な言葉のセンスとパフォーマンスで脚光を浴びた。2011年には日本を代表する詩人 谷川俊太郎と共演し、本人許諾で「生きる」を音源化。
透き通った声で歌われた同曲は、3.11直後の日本人に響き一晩で完売した。
その勢いのまま待望の1stアルバムを発表。しかしその約1ヶ月後、突然の事故死。
当時24歳の若さだった彼の訃報に多くのファンが言葉を失った。それから3年以上の時が経った。
彼がポエトリーラップに込めた想いは、下火になるどころかインターネットや仲間のライブを通じて広がり続けている。
YouTubeの動画再生も約70万回、ファンを公言するクリエイターも増えている。
私が彼のことを知ったのはYoutubeのこの動画である。
彼は新宿で数人のお客さんの前で「いつか売れた時に、ここで見たことを自慢にして下さい」と叫んでいた。
「6人だけのお客が、何度も続ければ何十人になる。
それをさらに何度も続ければ何100人になる。」
そんな言葉を歌っていた彼は、若くして交通事故で亡くなってしまった
しかし未だ尚、彼の音源はYoutubeに残っているし、再生回数は止まることを知らない。
不可思議/wonderboyの楽曲
俺達っていつかさぁ結婚とかすんのかな?
子供とかできてさ、庭付き一戸建てとかをローン組んで買ったら
できた気になるかな、ってこの話前にも聞いた気がするわすまんね
とりあえず今んとこは彼女とかもいないし
全くお金もないから可能性はゼロだね
生きているということ 遠くで犬は吠え 地球は回り
たった今もどこかで産声が上がり
兵士はどこかで傷つくということ生きているということ たった今この瞬間が過ぎていくということ
いつかは死ぬとわかっていながら 永遠なんてないとわかっていながら
それでも人は愛するということ
GOMESSが歌った、彼への気持ち
高校生ラップ選手権での準優勝を皮切りに、有名ラッパーとなったGOMESSも彼への思いを歌っている。
生きていく、いつまでも生きていく
死んでいったやつも何度でも生き返る
そういう風にできている、そういうこだわりだ
そういう世界って事を最近になって初めて知った
コネなんてないし金なんてないし
政治や国境、そんなものを壊して
俺はこの空間で生きている
ここにきている200人かそれくらいの人間たちが
ここに生きていたという証言者になる
不可思議/wonderboyは生きていた。
そして、彼が生きていたという証言者がいる限り彼は何度でも生き返る。
そういうことを歌っているのでしょう。
彼のTwitterは止まったままですが、彼の言葉はそこに残っています。
それに彼の楽曲は彼自身の分身のような存在のはず。
不可思議/wonderboyはまだ皆の中に生きているはずだ、と私も思います。