『THE罵倒2017 GRAND CHAMPIONSHIP』観戦レポート

 

12月10日におこなわれた『THE罵倒2017 GRAND CHAMPIONSHIP』について、

 

すでにMC派遣社員さんがバトルのレポと解説をしてくださっているので、僕はライブやDJタイムなどを含めてイベント全体について書いてみたいと思います。

 

 

オープニングはDJ RYU
ラップの入っていないインストの曲をかけていき、バトルビートとしても名勝負を生んできた漢 feat. MAKI THE MAGIC『紫煙』のインストがかかると、会場がこれから起こるであろう熱い勝負の予感にざわついた。

 

 

まずは輪入道のライブ。
この日はバトルにも出場するということで、1曲目からフリースタイルダンジョンでモンスターとして登場するときにもかかる『俺はやる』で気合を見せる。
聞き入る曲という印象のある『徳之島』も、ライブではダンスホール・レゲエのようなリズムのビート音が足されており、トーンダウンさせない。

 

 

輪入道に続いてこちらもバトルにも出場する、Lick-Gのライブ。
「罵倒まだまだこんなもんじゃないでしょ」という煽りに応えて若い観客が跳ね、さながらロックフェスのような盛り上がり。
去り際にこの日のバトルについて、「相手とのバトルじゃねえ、お前らが俺の言うことを理解できるかだ」と、観客による判定であることと、彼が普段から表現活動のモチベーションだと語る「他人に自分を理解してもらいたい」という気持ちを念押ししていった。

 

 

予選を兼ねた様々な大会の優勝・準優勝者者などから選抜された32人による1回戦では、罵倒サイファーでチームを組んで共闘したDragon Oneサイプレス上野が対決。
延長までバチバチにやり合う。

 

 

現場で感じた中では、賞金の30万円で仲間とやりたいことがあるというKOOPAが優勝しそうなバイブスを放っていた。

 

IDBASEのようにヒップホップに対するスタンスの違う者がぶつかるのもバトルの醍醐味。
高い音楽性をのぞかせるIDのフロウに観客も沸いたが、判定ではBASEに軍配が上がる。

 

 

はなびに対してあえて「ボディタッチOK!」と言いながら距離を詰めていく。はなびも当然引かず、超接近戦でやり合い緊張が走る。
はなびの勝利。

 

CHICO CARLITOのライブ。
自己紹介がわりの『C.H.I.C.O』や『Monster Vision』の自分のバースから、最新のELIONEとのコラボ曲や『月桃の花が枯れる頃』などを披露して、最後は『一陽来復』で観客と合唱。

 

 

DJ SIONは『NITRO MICROPHONE UNDERGROUND』のSUIKENバースをスイッチングを駆使して1文字ずつ刻む。

 

 

ベスト16による2回戦、MC KUREIスナフキンに同じ埼玉県を背負っているというと、スナフキンKUREIがICE BAHNのジャケットを着ている点を突く。スナフキンの安定感も王者になるにはふさわしい感じがした。

 

 

裸武 vs Lick-Gの1試合目、USの最新フロウやサウンドで支持を得るLick-Gに対し、流行りに乗らず無骨に自分のスタイルを貫いていくと語る裸武が「まずい料理でも口に押し込んでいく」と例えると、Lick-Gは「まずい料理なら俺はまず口にしない 辛口料理 早口の押韻 より大事なのはビート上のストーリー」とクールに返す。

延長の末Lick-Gの勝利。

 

 

T-Tongue輪入道に敗れたものの、若手が実力者に挑むという構図から脱して同じ土俵でぶつかっている風格を感じさせた。
延長の2バース目「吐いた生唾 お前はなまくら(刀) 俺は長州力だ『おい、そこまたぐな!』」は出だしの「俺はレペゼン鎌倉」から韻をつないでいる。

 

輪入道はベスト8でも若手のRYOTAが「初めてあいさつした5年前よりは近づけたし、自分のことを覚えてもらえた気がする」と言ったのを「俺は5年前からしっかりと覚えている」と受け止める懐の大きさを見せて勝利。

 

MARIAのライブ。
「女ラッパーも闘ってますよ。いろんなものと」

 

PUNPEEのライブ。
「俺のライブで体力を使い果たして、『夜を使い果たして』くれますか!?」

 

 

ベスト4を経て決勝戦はまず8小節×4本の通常のMCバトルでいったん勝敗を判定。

BASEの「俺のラップが下手だって!? 分からねえのか、このワードセンス」と言ったのを受けてLick-Gが「ワードセンス、ガードレール~」と続けて5個ぐらい韻を踏んで「ラップ下手なやつの口にはDuct Tape(ガムテープのこと)だぜ」と締めたのすごかった。
それを受けて「俺はガードレールには引っかからないで峠を攻める」と話題を転換したBASEもうまかったが、ここではLick-Gの勝利。

 

続いてアカペラで1分ずつフリースタイルラップを披露しあって判定。
経過時間を表示するスクリーンにはスポンサーのG-SHOCKの文字盤が映る。
先攻のLick-Gは残り30秒と15秒を知らせるピコンという音でラップをやめてしまうが、最後はそれを逆手にとって10カウントする音に合わせてラップをし、最後は「今後10年名盤を出す」と締めくくった。

 

しかしコンプラ全開のネタで押し切ったBASEがここを取った。

1勝同士となり、最後の8小節×3本を制したLick-Gが優勝。

 


ウィニングラップでも
「マイクからまった 俺はこのマイクとともに生きていく 死ぬときはマイクのコードで首をつる」 と言ったように、アーティストとしてのスタンスが一貫していたのが勝因と言える。

 

 

クロージングDJタイムでは1曲目にこの日のバトル後半でMPCでビートを担当したhokutoの『Cheep Sunday feat. 唾奇』が流れた。




日本語ラップ好きなら絶対!!

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