『シンデレラMCバトルⅢ』観戦レポート

 

渋谷VUENOSにて女性ラッパーだけのMCバトル大会『CINDERELLA MC BATTLE Ⅲ』を見てきた。

 

オープニングDJも女性のABE HONOKA
女性ラッパーが集まる場で DJ CHARI & DJ TATSUKI『ビッチと会う』 というタイトルの曲をかける。

続いて S7ICK CHICKSのAYA A.K.A PANDA『甘えちゃってsorry』
BAD HOP『Ocean View』から『Asian Doll』。

 

 

 

交代したDJ SIONはCOMA-CHI、RUMI、MARIA、ANTY the 紅乃壱、KOJOEがAKANEとAwichをフィーチャーした『BoSS RuN DeM』などフィメールの曲を中心にプレイ。

 

 

司会は毎回観客を飽きさせない進行で盛り上げるACEが務めた。

 

 

ライブショウケースの一組目は、CY8ERましろがヒップホップアーティスト SHACHIとして初ライブ。

 

 

バトルシーンとは違う切り口で新鮮。
ラップで自己表現でいていることを心から楽しんでいるのがうかがえた。
その光景をワッショイサンバがそのあとのバトルで
「私も振ってほしい 明太子 色のペンライト」
と面白くイジっていた。

 

 

ライムベリーからDJ OMOCHIを従えたMIRIのソロ曲は、前作のアイドル界ではラップという手法が異端とされ、MCバトルに挑戦してからはアイドルという肩書きで異端視され、それでも自分のやっている音楽を『hiphopト名乗ッテモイイデスカ。』と提示して、ある種悲壮感を漂わせていたのと一転して、フィメールのMCバトラーの一角としての地位を確立し、フォロワーたちと手を取り合ってシーンを盛り上げていこうという気概にあふれた明るい曲調。

 

「お生憎さま」を「おーあいにーくさま」と発音することで中国語の「我愛你(ウォーアイニー)」と重ね、そのあと同じ意味の「I love you」につなげる凝ったリリック。
2曲目には敬愛するSKY-HIの名前が織り込まれていた。

 

バトル1回戦は16人による8小節×3本で競われた。

 

 

1試合目、しあ vs CESIAは前回のリベンジマッチ。
「会場一体で生み出すグルーヴ。I am HIP HOP, are you HIP HOP?」と前日に発表した自身の曲名『WE ARE HIPHOP』に通じる主張を展開するしあに対し、対抗心むき出しのCESIAが「お前には出来ねえリベンジマッチ Keep Running あたし以外のMCは一網打尽」とダイナミックなライミングで勝利。

 

 

 

2試合目はa.k.a音Solar vs セルラ伊藤
ヒップホップへの愛を高らかに謳うa.k.a音Solarだったが、セルラ伊藤は2バース目の最後で「どうせ相手のことネットで下調べしてるんじゃないか?」と振っておき、相手が否定すると次のバースで「私はしてきた下調べ 一度じゃ読めないキラキラネーム」と韻で落として作戦勝ち。

 

 

 

3試合目はSUZIE a.k.a Cちゃんリルデビのことを「現場に出たことない」とdisるも、ラップスクールで鍛えたスキルでリルデビの勝利。

 

4試合目、KIDA vs かほはKIDAがかほを「酒飲みおばさん」とdisり、かほも「こいつの方が老け顔じゃねえ?」と返すが、かほの勝利が決まったあとは笑顔で抱擁を交わす。

 

5試合目に登場したズッキーニは15歳の新星。
MCバトル大会の出場は今回が初めてで、サイファーでスキルを磨いていたというが、その将来性を買われていきなりの本選出場。
バトルっ気を前面に押し出して相手のワッショイサンバを「イロモノ」と決めつけ
「HIP HOPの品が落ちる」
と攻め立てたが、

「そうさ私は色違いポケモン 私と遭遇できるのはレアなんだぜ」
とうまく丸め込まれた。

 

 

 

6試合目は出場者中、比較的年長者同士の対決で、母親であるTomgirlと社長であるYasco.が互いをリスペクトしながらも
「社員のウンチは拭かないだろ」
「ウンチは拭かないけど社員のケツは拭く」
とセルフボースティングしあい、Yasco.が勝利した。

 

 

7試合目はMCビキニ(a.k.a. 藤田恵名)と明石芽依(a.k.a. めーちゃん)による水着対決。
二人は同じように見えて、歌手活動の傍らグラビアアイドルとしても知名度を上げ、その拡大路線の延長としてシンデレラMCバトルに参戦したビキニに、以前から戦極を始めとする大会に足を運びバトルヘッズとして名が知られていた陰でグラビアアイドルとしても活動を開始した明石芽依が噛みつくも、ビキニは異業種からの参戦で受けてきたプレッシャーを
「私はラップが好きなわけじゃないけど求められてるから出てるんだ。もう次の大会に出なくてもいいようにこの大会で勝つ」
と吐露して勝利。

 

 

1回戦最終試合のまゆちゃむ。vs MCfrogは本人がバースの中で口にした通り「事実上の決勝」ともいえる実力者同士のバトル。
見事なビートアプローチでfrogが会場を沸かせば、まゆちゃむ。も早口フロウでやり返す。
しかし前大会の決勝で敗れたまゆちゃむ。が入れ込んでいる印象だったのに対し、frogは「敵は自分」とその先を見据えていた。
負けて退場していくまゆちゃむ。は悔し涙を目に滲ませていた。

 

 

ここで前大会の優勝者、椿によるライブ。
発売したばかりのアルバム『美咲紫』の曲を披露し、
「ここからすべてが動き出した」
と同じ会場でおこなわれた第1回大会に出場して親交を深めたFUZIKOS7LICK CHICKS)、COMA-CHIMC Mystieとのコラボ曲『Awe』を披露し満足の笑みを浮かべた。

 

 

 

ライブ4組目は般若
『やっちゃった』から始まりフリースタイルダンジョンでおなじみ『Monster Vision』のhookを挟んで『サイン』を経て、『最ッ低のMC』はビートが途中からBUDDHA BRANDの『人間発電所』に変わり「そして天まで飛ばそう」と合唱。続く『ビートモクソモネェカラキキナ』と夭折したラッパーの魂をも呼び起こす。

 

 

さらにはレーベルメイトのZORNを召喚して『HUNGRY』、そしてシャツを脱ぎ捨てて最後は『あの頃じゃねえ』という贅沢なセットリストだった。

 

 

2回戦で印象的だったのはMCビキニ vs MCfrog
実力差を認め勝ちをあきらめた感のあるビキニに対し、frogは「シンガーソングライター お前は芯がそんぐらいか?」と手を抜かず叩きのめした。

 

2回戦を終えて勝ち進んだベスト4による準決勝、第1戦はセルラ伊藤 vs リルデビ
水商売で客に高い酒を飲ませてもらったことを自慢していたリルデビに、実は10年間ママとして水商売の店を経営していたことを明かし、「お前は巻き上げられる側、私は巻き上げる側」と圧倒したセルラ伊藤が決勝進出。

 

 

準決勝第2試合はワッショイサンバ vs MCfrogという、男性に混じってバトルを闘ってきた者同士。
やり取りが進むにつれ、過去の大会で実力を発揮しきれなかった不甲斐なさを挽回したいから自分に勝ちたいんだ、と本心を明かしたサンバの目から涙がこぼれる。
決勝でもスタンスをぶらさずに孤高として立つMCfrogからの「何がしたい?」という問いかけに、相手は内なる敵と対峙し、弱い自分と向き合う。

 

そんな風にしてセルラ伊藤とも心の対話をしたMCfrogが堂々の優勝!
賞金10万円と共に手渡されたティアラはかぶらず、喜びを表面にはあまり出さない彼女だったが、FUZIKOが差し出した祝福のシャンパンを受け取ると瓶を片手でつかんで直接口をつけてぐいっとあおった。

 




日本語ラップ好きなら絶対!!

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