3/10『MR.日本語ラップ(MRJ)vol.4』観戦レポート

MC派遣社員&日本語ラップ.com主催『MR.日本語ラップ(通称MRJ)vol.4』を見てきた。

まずはSPIRALのライブ。
地元・茨城のクルー、MOON LIGHT RAVENの仲間も登場して重厚なHIP HOPを展開した。クルー名の意味は「月夜の烏(カラス)」のようだ。

1回戦はBPMの速いバトルビートが多めでスピーディに進んだ。
オープニングDJも務めたHYO-Eによるセレクトで、RIP SLYME『FUNKASTIC』やSOUL’d OUT『ALIVE』、雷『イカヅチ』など他の大会ではあまり聞かれないバトルビートがかかるのがMR.日本語ラップの特色だ。

初めてのバトルだという者も少なからずいたが、みなサイファーなどで下地をきっちり作ってあるように感じられた。その分、マイクの持ち方が悪くて声が観客まで届かないことが多かったのがもったいない。
また当日キャンセルがほとんどいなかったのも特筆すべきことだろう。

続いて蛆密(ウジミツ)のライブ。
戦時中の標語をもじった「欲しがります 勝つまでは」など、独特の言い回しが耳に残る。
他にスクールカーストを例えた『学校の階段』や二日酔いのことを歌った曲、そして先月に出したEPの表題曲『本人不在』を披露した。

1回戦で勝った32名のうち約半数が、シード戦を闘った。
ここで前回王者のミステリオ亞夢が撃破する波乱が。

また先ほどライブをしたゲストバトラーの蛆密に、横浜のヤングガン・Howze(ホージ)が怯むことなくぶつかり、延長まで追い詰めた。

また京都の実力者キョンスに敗れはしたものの、JAMSは1回戦の勝ち方も見事で印象に残った。
謎のゲストバトラー二人のうち、長身の男前・リンダマンは敗退したが、ゴギガギガギゴはよく似た外見の9forとは違ったバトルスタイルでK-Noizに勝利した。

DJ SIONによるDJタイム。
日本語ラップの定番曲とそのRemixも聴かせようという意図があったようで、AKLO『RGTO Remix』のNORIKIYOバースから同じNORIKIYOが参加した韻踏合組合『一網打尽 Remix』へのつなぎなどは鮮やか。
またマイクをもって時事的なトークを入れ、般若『最ッ低のMC』のRemixから『やっちゃった』を挟み、翌日が3月11日なのにちなみ般若が東日本大震災を受けて作った『何も出来ねえけど』をかけ、観客の心に訴えた。
MRJはバトルに負けないぐらいDJタイムも盛り上がるのが特徴だが、誰よりも盛り上がるのが主催者のMC派遣社員自身であるのが面白い。
この日もバトルで敗退したリンダマンにそっくりの怨念JAPとともに楽しそうに騒いでいた。

その派遣社員がマネジメントしているshimaのライブでは、レゲエのテイストが場に一体感を生み出した。
JP THE WAVY『超WAVYでゴメンね』を言い換えた『超ラガでゴメンね』を観客全員で即興で合唱。

2回戦でのベストバウトは、MC龍 vs よんろく
よんろくのMCネームの由来でもある乃木坂46の話題に韻を織り交ぜた高度にマニアックなバトルはこの二人にしかできない。
「乃木坂ならば白石麻衣」とラップしたのを、よんろくに「お前は西野七瀬推しだろ」と返されたものの、辛くもMC龍が勝利した。

9forのライブはDisry、MuKuRo、蛇『熱源』をMC KUREI、N0uTYとRemixしたものの自身のバースからスタートし、その後デモCD『My Own Mirror』収録曲を披露。

NillNicoは1年以上ぶりに一人でのライブ出演と語り、クルー$calemobでふだん披露している『My Team』や『soredake』などをパフォーマンス。

バトルで名を上げたMCたちも音源やライブが表現活動の主軸となっていくようで、NillNicoは曲間のMCでいつもそう主張しているし、9forもその後のバトルでBADSANTAからライブの出来をdisられると怒りをむき出しにして詰め寄った。
あ、正確には9forによく似たゴギガギガギゴが。

SHABAZのライブでは日本語ラップらしさを意識した曲が披露された。
EP『New Lord』をこの日から発売する予定だったが、準備が間に合わず翌日からになったのが悔やまれる。

ミステリオはこの日は早々に敗退したが、バトルでの活躍がライブでの盛り上がりにつながっている好例で、この日も観客とハイタッチを交わしていた。

ライブのトリを飾ったキョンスは、バトルでも貫録を見せ、この日好調だったRYO亞夢を次々と撃破。

そしてトーナメントの逆サイドを勝ち上がってきたのは、前々日のUNIRAPで不完全燃焼に終わり、MRJに当日エントリーしてきたミメイ
鋭い頭の回転と途切れない集中力で、ゴギガギガギゴの名前で韻を踏み尽くして勝利。

決勝はキョンス vs ミメイ
同じ京都レペゼンで何度も当たった仲らしく、お互いの手の内を知り尽くしたうえでその上をいくライムやパンチラインをぶつけ合う。
観客の歓声も真っ二つに割れ、3度の延長もやむなし。
最後はキョンスに凱歌が上がり、1月の凱旋×MRJに続く優勝、さらに関西の大会も含め、今年まだ負けなしだという。

なおこの大会の模様は、日本語ラップ.comのYouTubeチャンネルで配信されている。
https://www.youtube.com/watch?v=_Z0YHWwzmPQ&list=PLDlNQVFkXUcOluAXlQhZZrdFMiPx7GYSn




日本語ラップ好きなら絶対!!

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