【書道家・靑蘭のlyricパンチライン書道 VOL.2】
『徳之島-輪入道』

ライター:靑蘭(https://twitter.com/seiran_jp89)
全身凶器の卓越したバトルスキルと圧倒的な熱量。
今やMCバトル好きなヘッズでは、 知らない人は居ないであろう生粋のフリースタイラー『輪入道』

今回は、楽曲を紹介する前に彼のプロフィールに触れさせて頂きたい。
平成2年東京生まれ、千葉育ち。
『輪入道』 というMCネームの由来が気になる人も少なくないと思うが、
由来となったのは皆さんが思っている通り、そう。妖怪・輪入道。
「 ダイヤに変えてやるぜ」 っていうノリでこのMCネームを付けたらしい(笑)
彼が最初にラッパーを志したのは17歳の頃。
夏休みに地元・ 千葉@CLUB BELT(現:LOOM)で開催された「REPRESENT MC BATTLE2007」に出場。
前回大会王者ZONE(現: ZORN)と対戦し勝利。
準決勝では今はなきZEEBRA率いるUBGレペゼンCHINO と対戦し
「ベートーベン?クラシック?それがどうしたチャイコフスキーとか聞いて頭まで全部イカれてえのか?」
「バイクに乗り回すような暴走族なんかよりも100倍持ってるこの行動力」
と高校生の口から出た とは思えない恐怖のアンサーをカマし観客を圧倒!!
(引用:- clubbelt-)
決勝の相手はTK da 黒ぶち。
錚々たるメンツが出場する中、 ラップ歴4ヵ月で優勝してみせた。
一時期は鬼率いる赤落プロダクションに身を起き、 18歳の頃から更に活動の幅を広げシーンにその名を轟かせていく 。
2014年には、「BBP2014」優勝をはじめ首都圏各地のMCバトルの大会で前代未聞の「 6大会連覇」を成し遂げた。
翌年には伝説の「長渕剛10万人 オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」のステージに般若と共に立ち、 ラッパーとして富士山麓に熱を纏った言霊を落とし込み大きな話題 となった。
そして昨年の「罵倒2016グラチャン」優勝も記憶に新しい。
また、「フリースタイルダンジョン」での漢 a.k.a GAMIとのコンプラまみれの、
ネットでは( 妖怪vs不動明王)などのコメントが交錯していた(笑)
その後、
自身主宰のレーベル「GARAGE MUSIC JAPAN」も立ち上げ、 日本語ラップシーンを引っ張る要注意人物!!
少しの紹介と言っておきながら、
輪入道=MCバトル。
というイメージが強いと思うが、 そうではない。
楽曲ではまた違った顔を覗かせる。
インディーズながら現在もロングセラーを記録している1st Album【片割れ】から約3年。
先月リリースホヤホヤの2nd Album【左回りの時計】。
実は縁あって、 私は今作のジャケットとオフィシャルタオル、 ステッカーの字を揮毫させて頂いた。手に取る瞬間があれば、 是非チェックして頂きたい。
今回私がlyricパンチライン書道としてご紹介させて頂くのは 、
今作に収録されている楽曲『徳之島』だ。
昨年冬に開催された、 レペゼン徳之島GOTCH主催のイベント『ザ・ ノンフィクションVOL.1』。
ゲストで呼ばれた自身の感じた風景、 人との繋がりをリアルに書き綴った楽曲だ。
曲が始まるや否や「Yuto.com」(トラックメイカー)の鹿児島の綺麗な海を想像させる柔らかいトラックが”耳” を掴む。
すぐさま降り注ぐ輪入道の言霊に”心”を掴まれる。
言葉に語弊があるかもしれないが、 たったそれだけなのにこんなにも美しい。
と思ったと同時に、 輪入道自身の温かい心が書かせたリリックだと感じた。
「 過去があって今がある」 日本人にとって大切なものを教えられた気がした。
曲の終わりには『東京にのまれんなよ、君の地元熱いぞ!』 と徳之島の若者へ輪入道から熱いメッセージが込められている。
アルバムを一通り最後まで聴き終わり、トラックと言葉、 このシンプルな構成で人の心を揺さぶるラップの奥深さを再確認し た。
寂しさや悔しさ、人間の弱さだったり脆さ、 それでも生きる人間の強さ。ラップだからこそ素直に表現できる。
血管を浮き上がらせながら恐ろしい剣幕で相手に迫る、 MCバトルとは違う顔を覗かせる輪入道のリアルな12の物語。 言葉の力に無限の可能性を感じた。

(徳之島は鹿児島県奄美群島の島の一つ)
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A buckle is a great addition to an old shoe.